歯周病の予防ケアや早期治療の重要性
PREVENTION
歯を失う大きな原因は虫歯と歯周病です。特に歯周病は自覚症状があまりないため、気づいた時にはすでに抜歯が必要な状態になっているケースも少なくありません。歯周病の原因菌が気管や血液を経由してしまうと、全身の大きな病気につながる危険性もございます。日頃の丁寧なセルフケアに加え、定期検診とクリーニングで歯周病予防あるいは早期発見・早期治療を行うことが非常に大切です。
歯を失う原因知っていますか？
事故やケガで歯を失ってしまう方もいますが、それよりも大きな原因が2つあります。それは「むし歯」と「歯周病」です。加齢によって歯が抜けるイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、実は加齢が原因で歯が抜けることはありません。
ブラッシングがしっかり届いていなかったり、入れ歯のお手入れが不十分だったりすることでむし歯や歯周病が進行し、やがて歯周組織がダメージを受け歯が抜けてしまうのです。特に歯周病は自覚症状に気づきにくいので進行しやすく、歯科を受診した時にはすでに抜歯が避けられない状態になっていることもあります。
日頃からの丁寧なケアと、定期的に歯科医院でクリーニングを受け予防を続けていくことが、大切な歯を守り続けるためにとても大切です。
歯周病は全身の健康にも影響を与えます
・糖尿病
・心筋梗塞
・脳梗塞
・認知症 など
日本人の成人のうち80％が発症しているともいわれる歯周病。多くの人に見られる症状だからといって油断してはいけません。歯周病の原因菌が気管から肺に入ると誤嚥性肺炎を、また、血液を経由して全身へ行き渡ると糖尿病・心筋梗塞・脳梗塞・認知症といった全身疾患を引き起こしたり、悪化させることがわかっています。歯周病はお口だけの病気ではなく、全身の健康にも深く関わっているのです。
早期発見・早期治療が大切なカギ
- 歯が痛くなってから歯医者に行けばいい
- 毎日歯磨きをしているから定期検診は必要ない
- 入れ歯やブリッジがあるから歯が抜けても大丈夫
このように考えている方は要注意。むし歯や歯周病は進行すると歯を大きく削ったり、抜歯する可能性が高くなります。痛くなる前に歯科を受診して、むし歯や歯周病を未然に防ぐことが天然の歯を長く保つ秘訣です。たとえ毎日歯磨きをしていても、どうしても磨き残しが出てしまいますので、定期的にプロによるクリーニングを受けることをおすすめいたします。
入れ歯やブリッジは失った歯を取り戻せますが、天然の歯に比べて噛む力が弱く、周囲の健康な歯に負担をかけてしまうなどのデメリットもあります。
早期発見・早期治療を心がけて、生まれ持った歯をいつまでも大切にしていきましょう。
プロによるお口ケアで歯周病予防を
歯周ポケット検査
ポケットプロープという先端に目盛りがついた器具で、歯周ポケットの深さを測ります。歯周ポケットの深さによって歯周病の進行度を診断します。歯周病でない場合、ポケットプロープは1～2mm程度しか歯周ポケットに入りませんが、重症だと10mmを超えるほど入っていくこともあります。
スケーリング/ルートプレーニング
歯の根の部分から歯石を取り除く処置です。専用のスケーラーという器具を使って、歯ブラシでは取ることのできない固い歯石を取っていきます。ただし、歯周病が進行しているとスケーラーだけではすべての歯石を除去できないことがあります。その際はキュレットという器具で歯ぐきの中のセメント質を除去するルートプレーニングを行い、1本1本の歯を丁寧に掃除していきます。
歯周外科手術
当院は初期～中等度の症状の方だけでなく、重度の歯周病で「回復の傾向が見られない」「他院で抜歯と診断された」などの方にも、歯周外科手術で対応しております。歯周外科手術は歯肉を切開し、通常の治療では届かない歯ぐきの内側深くに蓄積した歯石を除去する処置です。
PMTC
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)は、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使って、個人では落とすことのできない歯に定着した汚れを落とすクリーニングです。むし歯・歯周病予防のほかに、口臭対策などにも効果が期待できます。むし歯や歯周病の自覚症状がなくても、クリーニングを定期的に受けることでお口の健康が長続きします。
ご家庭でできる予防ケア
定期的な歯ブラシ交換
同じ歯ブラシを何か月も使い続けていませんか？毛先が開いていなくても、1か月を目安に新しい歯ブラシに交換するのが衛生面でも安心です。使用後は水分を良くふき取り、風通しの良い場所で保管して雑菌の繁殖を防ぎましょう。
デンタルフロスを使う
どれだけ丁寧に磨いても、歯ブラシだけでは歯と歯の隙間や、歯と歯ぐきの境目の歯垢を完全に落とすことはできません。デンタルフロスや歯間ブラシをセットで使うことでより効果があります。
